物語全体のあらすじ


高校からの帰路、あおいは一匹の傷だらけの白猫と遭遇する。


今にも息絶えそうなその猫を目にした瞬間、蒼の脳裡をある言葉がよぎる。


『猫は死期を悟ると姿を消す』


蒼は引き寄せられるように猫の後を追ってしまう。それが悲劇の始まりだとは知らずに。

 


その猫は化け猫であり、蒼は祟られ、自らも化け猫になってしまう。


人間の大きさのまま黒猫の姿になってしまった蒼は、居場所を失い、夜の町をさまようことに。


するとそこには、これまで見えなかった闇夜に生きる者たちの姿があり、聞こえなかった声が聞こえてきた。




同じ頃、一人の少女が目を覚ます。


長い黒髪の少女、べに


感じたことのない胸騒ぎに、紅は町へと出る。


野良猫たちの会議に潜入し、そこで化け猫が出たことを知る。


確信めいた予感があった。それが自分の『探し求めていた人物』であると。


化け猫に遭遇したという吸血鬼から居場所を聞き出し、紅は化け猫の元へと向かっていった。




逃げ続け力尽きた蒼だったが、意識を取り戻すと、一人のホームレスに助けられていた。


『たもつ』という名の、えびす顔の中年男性だった。


無類の猫好きのたもつは怖がることもなく、蒼を介抱してくれた。



徐々に精気を取り戻していく蒼だったが、そこにある男が現れる。


野良猫を殺して歩く猟奇的な男で、猫たちの間で『猫殺し』と呼ばれていた。


化け猫の存在を知り、蒼を血眼になって探していた。



蒼を見るや否や、有無を言わさずに襲い掛かる猫殺し。


蒼とたもつが応戦するも歯が立たない。


すると窮地に陥った二人の元へ援軍が駆け付ける。


野良猫たちと、紅だった。


皆で力を合わせ、猫殺しを撃退する。


そして男がなぜ、『猫殺し』となったのかが明かされることになる。




猫殺しを撃退した蒼と紅は、野良猫の長である、『ご隠居』の元へと案内される。


地面に届くほどの長く白い体毛に覆われた老猫だった。


ご隠居から、紅も化け猫であり、二人が双子の兄妹であることが明かされる。


驚愕する蒼だったが、そこで二人の歴史を超えた複雑な生い立ちが明らかになっていく。




蒼と紅、二人の姿が大きな丸い猫目石の中に映り込んでいた。


それを見つめる黒いローブの女。


『ネコミミ』という名で、『ネコスイ』と呼ばれる、様々な術を操る一族の生まれだった。


「もうすぐね」


二人の姿を見つめるネコミミの頬を、一筋の涙が伝った。



蒼と紅、そしてネコミミとの『再会』が、歴史を超えた物語の謎解きへと向かっていく。