「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」アーサー・C・クラーク。

 我々は真実を知らない。
 科学技術はすでに、シンギュラリティを迎え、不老不死をも成し得ている。
 その技術を独占する一部の者は、神へと進化しているのだ。
 我々はそのことに気づいてさえいない。

 科学は魔法のごと…

   物語全体のあらすじ


 ある夜。アリサは、白いウサギや爬虫類の瞳を持つ男と遭遇する。

 逃げるように帰宅したアリサは、次の朝、窓の外に恐竜がいるのを目撃した。

 アリサの住む街に恐竜が現れたのではない。恐竜が生息する大自然の真っ只中にアリサのアパートが移動したのだ。

 そこはアリサの知っている世界ではなかった。恐竜だけではなく、幻獣までもが存在する異世界。アリサはそこに迷い込んだのだった。


 それは壮大なショーであった。

「何も知らない一般人を、恐竜や幻獣たちがいる森に放つ」という残酷なショー。

 そのショーの主人公がアリサなら、その観客は誰だろう?

 

 実は、ほとんどの人が知らない事実がある。

 それは現時点の科学技術は、一般の人が知るそれよりも少なくとも50年は先行しているということだ。一部の特権階級だけがその事実を知り、その恩恵に与っている。人類の夢である「不老不死」もすでに実現していて、彼らに「永遠の時」を与えた。新しい神は誕生したのだ。

 神々は退屈していた。有り余る時間の使い途に困っていたのだ。

 故に彼らは娯楽を求める。

 

 コロシアムと呼ばれる円形闘技場では、連日ショーが開催されていた。

「リアルな仮想現実ではなく、嘘みたいな現実」を謳い文句にするその場所では、日夜血なまぐさい闘いが行われている。

 闘技者は人間とは限らない。実在する猛獣はもとより、すでに絶滅している恐竜や空想上の幻獣までを創造して、その戦いに加わらせていた。


 そして今、新たに企画が始まった。

 それがアリサの巻き込まれたショーである。

 その出演料は300万ドル。それはカードで渡され、いつどこでも買い物ができるようになっている。アリサはそれで必要な品々を揃え、そして偶然目にしたユウという名の奴隷剣闘士を買った。


 ここからアリサの生死をかけた戦いが始まる。