くさくさした気持ちが止まらない。彼女は「ニレの為に総理大臣に生まれるべきだった」と真顔で呟いた。なぁ、ドン。生まれながらの総理大臣には無理があるぞ。

春は弾けたか?


 急に、涙が出てきた。いきなり泣き出した俺を、彼女は怪訝そうな顔で見つめ、おろおろと身振り手振りした。何かぶつぶつ呟いている。最終結論は、「抱っこか? 抱っこするか?」だった。

 ドンは俺を抱き締めた。俺たちはきっと何も分かりあえない。けれど、それがいいと思えた。