魔法のiらんど コミックシナリオ大賞(百霊夜行の青年と呪物にされた美少女)

作者相枝静花

物語全体のあらすじ


 相田沙希あいださきが、死んだ。

 高3の冬休みだった。風間悟かざまさとるは深夜の神社内で、沙希の死体と二人きり。彼女の遺体を確かに確認し、途方に暮れる。


 まさか本当に、彼女が死ぬとは思わなかったのだ。


 霊視ができる悟は、霊である岸本玲香きしもとれいかから聞かされた沙希の秘密の真偽を確かめるため、昼間から沙希と神社で過ごしていた。


 玲香の話によれば、沙希は日没を過ぎると死ぬが、朝日が昇れば生き返る――はずなのだ。


 沙希が無自覚に霊を引き寄せる体質なのには、理由わけがある。沙希は呪いを被っていて、呪死じゅしと呼ばれる呪物じゅぶつと化している。呪物の一つである呪死は、夜になると死体になり、けれど朝になれば息を吹き返す特徴があるという。悪霊にとって呪物はどれも、自分を高められる魅力的な喰い物なんだとか……。


 沙希が呪物になってしまっていることが事実であることを知った悟は、沙希をこんな風にしたヤツを見つけ出し、八つ裂きにしてやると誓う。そして沙希を、普通の人間に戻してやりたいと心の底から思った。


 翌朝、神主から「沙希さんは呪われている。もうここへは来ないでくれ。神社のあちこちが汚れてしまっている」と怒られた悟と沙希は、事情を説明すると神主からその筋に詳しい人物を紹介される。お礼を言って神社を出た悟と沙希はそれぞれ自宅へ戻るが、悟は神主から紹介された人にコンタクトを取った直後、沙希から緊急メッセージを受け取った。


 母子家庭である沙希の母親が、どこにもいないというのだ。

 財布もスマホも家に置いたまま、姿だけが見当たらない。そればかりか、家の中がひっくり返されていて、異常事態となっていた。


 困惑していると、神主に紹介された人物――門真義翔かどまぎかけるから連絡が入り、沙希の家に来てもらうことに。

 家の中の張り巡らされた札を見た門真義さんは、沙希の家族関係の異常性に気づくのだった。


 沙希の母親は、人の皮をかぶった悪霊である可能性が極めて高い。

 沙希を軟禁する悪霊は、赤の他人なのか、それとも実の母親なのか……。

 いずれにしても見つけ出して成仏させなくては、と門真義さんは言うが、沙希は母親なら離れたくないと言う。

 逡巡する門真義さんはまずはその悪霊の正体を暴こうと言って、1冊のオカルト雑誌を取り出す。


 悪霊が姿を消したのなら、こちらから迎えに行けばいい。

 どこにいるのかについては、心当たりがある。


 門真義さんはそう言って、オカルト雑誌を広げ、とある都市伝説についての話を始めるのだが――。


 沙希はいつから、なぜ呪物と化していたのか。

 沙希の本当の家族はどこにいるのか。

 そして沙希は、人間に戻れるのか。


 悪霊を相手に秘密を紐解き、愛する幼馴染を助けようと奮闘する青年の物語。