怪異を嗜む白銀の魔法使いは奈落で嗤う ~妖とり怪奇譚 登別煉獄事変~

作者万業破印

 魔障溢れる街に銀色の少女が現れる。これは少女と魔障との戦いの物語。大禍時が登別の街に影を落とす。闇に包まれ魔障どもが街を跋扈するとき、銀色の少女が現れる。魔障探偵 明野リン。ただ働きはしない主義のただの魔法使い。すべての謎が解き明かされるとき、魔障を滅ぼす銀糸が闇を切り裂く。それは希望か絶望か。…

              物語全体のあらすじ



 明野リンは魔法使いである。


 年齢は十歳。彼女は世界で十二人しか存在しないとされる始祖の魔法使いの一人。『白銀』の魔法使いである。モットーは「ただ働きはしない主義」。とにかく金にがめつい性格なのだ。


 そして、魔法使いをやる傍ら、世界唯一の『魔障探偵』なる怪異事件専門の探偵業を営んでいた。


 そんな魔障探偵にとある依頼が舞い込んできたのは四月一日。


 依頼主は魔導ギルド。報酬は一億円。内容は北海道の温泉地として有名な登別市の地獄化をなんとしてでも食い止めること。可能なら事件の解決を。最低限、地獄化の原因の究明。期限は一年以内。


 まるでエイプリルフールの質の悪い冗談かなにかかとリンは思った。何故なら、依頼難度が国家滅亡の危機が予想されるコードAAAだったからだ。


 リンが調査先の登別市に到着すると、そこで驚くべき光景を目の当たりにする。


 登別市の上空に、都市を一つ丸々と覆い尽くすほど巨大な大釜が、逆さまになって浮かんでいたのだ。少しずれた釜の蓋から漏れ出す瘴気が街を覆い尽くしていた。それが登別市で発生している地獄化の原因であることは一目瞭然だった。


 あれはまさしく地獄の大釜。あの蓋が完全に開かれたとき、この街は終わる。


 大釜の底から上空に向かってのびる四本の巨大な鎖。それが一本外れるごとに、蓋は少しずつ開いていき、中から巨大な鬼の顔が現れた。もし、この鬼が現世に現れれば人間ごとき矮小な存在は滅ぼされるだけ。滅亡の規模は登別市だけにとどまらず、北海道という大地すべてが地獄と化してしまうだろう。


 地獄の大釜出現の調査をしていくうちに、リンはこの街にはびこる様々な邪悪の存在にたどり着く。


 上空に出現した地獄の大釜を消し去るには、邪悪な存在によって開かれた地獄の門を閉じる必要があった。


 リンは魔術師や魔法使いたちと協力し合い、邪悪な存在を滅ぼすことに成功する。


 だが、既に開いた地獄の門は内側からしか閉じることが出来ない。


 地獄の門を閉じるには誰かの犠牲が必要だった。


 一人の魔法使いの命と引き換えに地獄の門は閉じられた。


 多大な犠牲を払った末、リンは登別の地獄化を止めることに成功する。


 しかし、依頼を完遂するために支払ったものは愛しい者の死。


 その代償はあまりにも大きかったーー。


※こちらの作品は小説版『怪異を嗜む白銀の魔法使いは奈落で嗤う ~妖とり怪奇譚 登別煉獄事変~』をシナリオ化したものです。

 小説版 https://maho.jp/works/15591074771453364677