この作品は「月の啼く聲」をシナリオ化したものです。
https://maho.jp/works/15591074771453556134

※上記小説のネタバレを含んでいます

物語全体のあらすじ



 中世の日本、京の幕府の権威は衰え戦が続く時代。

 燕のろうは隼に襲われ死にかけたところを老和尚茂十しげとみに救われるが、茂十の甥十馬とおまは東の小国の領主籠原かごはら家の長子でありながら、病で死にかけていた。

 茂十の恩に報いて十馬を救うため、篭は青年と同化して人間になる。しかし十馬の病は怨念による呪いであり、篭は不気味な影や鬼の姿を見るようになる。

 十馬にかかった呪いを解くため、篭は十馬の弟であり籠原家の現当主である宋十郎そうじゅうろうの案内のもと、京の術者を訪ねる旅に出る。


 人間になったばかりの篭には色々なものが目新しいと同時に困難であり、篭は旅先で様々な人や魔物に出会うとともに、人間の世について知ってゆく。またその一方で、篭は十馬を取り巻く不信や不幸に気付き、不穏な争いに巻き込まれてゆく。


 旅が始まる前の晩、巨大な黒い腕の化物が現れ、宋十郎を庇った篭は左顔面を鬼の爪に裂かれる。傷はすぐに塞がったが、再生した左目は赤く変わる。化物のような左目を包帯で覆い正体を隠しながら、篭は旅をすることになる。

 左目が赤くなった時から篭は影を見るようになるだけでなく、十馬の記憶を夢に見るようになる。また体に受けた傷はすぐに塞がるが、傷は黒い跡となって残る。傷跡は徐々に広がり、隠さねばならない体の部位は増えてゆく。


 道中十馬に憑いている魔物達が、代わる代わる篭の前に現れる。彼を「皓夜叉しろやしゃ」と呼ぶ山神・白衣しろぎぬと、十馬に左目を貸したと言う金色の凶鬼まがおに撫斬なでぎりが現れるが、これらは現れる理由もその名も明かさない。また同時に、姉妹国である遠夜えんや家の忍が、十馬を探して篭を襲う。遠夜の狙いは十馬の体に入っている魔物だが、その目的も篭や宋十郎には明かされない。


 篭は自分の体が既に人間ではないと悟ると共に、痛みや恐怖を感じる度、彼の中で膨らんでゆく十馬の負の感情を感じる。負の感情は暴発すると巨大な黒い腕の鬼として現れるだけでなく十馬の人格を呼び寄せて、周囲の者を傷つける。

 始めは慄き泣いてばかりいた篭はやがて、強くなりたいと、彼を助ける宋十郎や仲間たちを守りたいと願うようになる。


 そう篭が決意する一方で、案内人である宋十郎は、篭とその肉体である十馬に起きつつある変化に気付く。宋十郎は篭と十馬、籠原家に関する秘密を篭から隠しており、実は兄や篭を救うためでなく、籠原家にかかった呪いを除くために旅をしていたが、篭と共に旅をするうち、宋十郎の心境にも変化が現れる。



この作品は「月の啼く聲」をシナリオ化したものです。

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