モンブラン&シガレット

作者JIL SANDRE

35歳看護師の千尋は、母親の影響で、これまで誰とも付き合ったことがなかった。
18歳高校生の馬来は、サッカー一筋で、これまで誰とも付き合ったことがなかった。

そんなふたりが出会い、ゆっくりと真面目に恋人になっていく、そんな物語。

<あらすじ> 

 病院で看護師として働く村上千尋むらかみちひろは、母、隆子たかこと実家に二人で暮らしていた。隆子の影響からか、千尋は今まで男性と付き合ったことがなく、仕事が恋人とばかりに毎日病院と実家の往復を続けていた。


 御薬袋馬来みないまきは、千尋が勤務する病院の隣にある高校のサッカー部員だった。小さい頃からサッカー一筋で、異性と付き合うなんて発想は頭の中にはこれっぽっちもなかった。馬来は、高3年の春にアキレス腱断裂の怪我を負い、部内のいざこざからサッカー部を退部、その時から屈折した日々を過ごすようになっていた。


 2018年のある日。馬来は不明熱と背中の痛みで千尋の勤務する病院に入院する。深刻な症状ではなかったが、熱は下がらず、安静が必要な状態だった。入院生活の中で馬来の寂しそうな表情を目にする千尋。高校時代に好きだった人に少し似ていたこともあり、馬来のことを意識するようになる。千尋にとってそれはとうに忘れていた恋心に近いものだった。


 千尋は、サッカー部のキャプテンであり馬来の幼馴染のはらから、馬来がサッカー部を辞めた経緯を伝えられる。馬来の寂しそうな表情の理由を知る千尋。千尋は、原と馬来との仲介をするようになるが、余計なお世話だと言わんばかりに馬来に怒られてしまう。傷つく千尋だったが、続く馬来の暴言に腹を立て、思わず馬来を引っ叩いてしまう。


 看護師として患者に暴力を振るってしまった千尋。自己嫌悪から、しばらくの間休暇を取り、馬来と自分の仕事から距離を置く。馬来は、言い過ぎてしまったことに反省する。そんな中、馬来は、同部屋の患者、前芝まえしばと知り合いになる。自らの死期を悟っていた前芝は、親切にしてくれた千尋にもう一度会ってお礼を言いたいと願ったが、それは叶わなかった。前芝は死ぬ前、馬来に千尋の看護師としての丁寧な心配りや仕事ぶりを話していた。病院に戻ってくる千尋。千尋は前芝が亡くなっていたことに気付く。前芝の死を共有する千尋と馬来。


 千尋と馬来は、その後互いに謝罪し合い、やがて打ち解け合うようになる。馬来は、サッカー部最後の大会を病室から応援し、そしてチームの敗退を知り、涙する。馬来の病状は回復に向かい、退院することになる。馬来と千尋は、退院後もまた会う約束する。


 異性と付き合ったことがない、千尋と馬来。ふたりの真面目で不器用な恋が始まる。