物語全体のあらすじ



滝神。五百年以上を生きる青き竜であり、全ての神を束ねる長。神と人との戦いで大切な人間を失ったことをきっかけに、彼は自ら築き上げた神の世界を破壊することを決意する。


古代より神と人は手を取り合い生きてきた。神は人の願いや想いから生じる「現(うつつ)」を食べて生きる。彼等は人から現を貰う代わりに様々な奇跡を起して人に恩を返し、平和な共存関係を築いている。

しかしその均衡は些細なことで崩れ去る。ある卑劣な神の集団による現の強奪殺人をきっかけに復讐が復讐を呼び、遂には神と人による全面戦争にまで発展してしまう。


1500年代。まだ若年の戦士であった滝神は戦いで傷を負い、蝶が飛び交う美しい森の庭へと迷い込む。そこはその地の人間の長を務める大和姫の隠れ家であった。彼女を警戒して止まない滝神の目の前で、大和姫は奇跡を起してみせた。

彼女は人間で唯一現を自在に操ることができた。神に現を食わせてからもう一度人間に返す「現返し」を行う事により、大和姫のような強力な器さえあれば人間は火水自然といった森羅万象を操り強大な力を得ることができる。滝神はそれらの奇跡と傷ついた小さな神たちと戯れる大和姫の姿を見て彼女と打ち解け、互いに労わりや賞賛・雑談をし合う仲になる。

数年経ち滝神は神の長となった。彼は無秩序だった神たちを纏め上げ文化と繁栄の基盤を築いた。しかしそれが新たな争いを呼ぶのも事実。二人は計画を練り各地に散らばる強力な神を訪ねることに。

努力の二人は日神・嵐神・光神・地神を味方につけ、人間に力を誇示する。その地での争いは収まるように見えたが、人間の不信感により結局叶わなかった。

手段は一つしかなかった。既に神の味方の化物と見られていた大和姫が処刑されることで人は争いを仕掛けてこなくなる。

苦渋の決断の後、滝神の日常は大和姫と出会う前の空虚に成り果てた。

滝神は思った。何故彼女が死ななければならなかったのかと。

彼女のような強力な魂はいつか必ず転生が起きる。その力があれば大きくなってしまった神の世界を壊し、争いの元を根本から断つことができる。

滝神は大和姫の転生を待ち続けた。


舞台は移り現代日本、それは起きた。大和姫と瓜二つの桜大和を見つけた滝神は、遂に計画を実行に移す。


日常を空虚に感じていた18歳の女子高生・桜大和は、親友の死をきっかけに森の中の妖しげな図書館に迷い込む。そこは半神である黒野錬士が管理する神の住処であった。