院の龍王 曜の桃姫

作者さと

長く戦争をしていた院と曜。龍王が治る院に和平協定のため嫁ぐことになった神通力を持つ曜の皇女。何でも見通す皇女が見た「約束」の未来。

 長く戦争をしていた院と曜。

 龍の血を引く圧倒的な武力を誇る院と、神通力を使う術士の治める曜は、曜の皇女が院の皇帝へと嫁ぐことで休戦協定を結ぶことになった。その曜の皇女・桃紫苑は未来や遠い場所での出来事を見通す強力な神通力を持っていた。

 しかし、紫苑には数年前に助けた怪我した龍のことを忘れられずにいた。嫁いだにも関わらず夫である龍王とは会ったこともない紫苑だったが、ある夜、1人の龍族と出会う。

 彼との出会いにより、紫苑は次第に事件に巻き込まれていくことになる。


 実は出会った龍族は、夫である龍王・龍克佑だったのだ。その事実に戸惑う紫苑。

 そんなある日、神通力で昔助けた龍がこの城のどこかで怪我をしている夢を見る。その龍のことが気になり男装して城中を探していると、克佑に見つかってしまい、今度はこき使われる羽目になってしまう。そんな折、紫苑は謀反を企む話を聞いてしまい、誘拐される。しかし、この事件は実は克佑によって囮にされていたのだった。それを知り怒った紫苑。そんな時に紫苑はついに助けた龍と思われる人物に出会う。

 しかしその龍は克佑に反旗を翻そうとしていた黒幕だった。さらに紫苑の国の武器が反乱に使われていることを知り、紫苑は驚愕する。一緒に克佑を討とうと誘われるも、紫苑は克佑と共に生きると誓う。

 そうして、紫苑は神通力を使って克佑と共に反乱をおさめることに成功するのだった。

 

 一連の出来事を聞いて駆けつけた紫苑の父親である曜帝が、院にやってきた。そして紫苑をここに置いてはおけないと言うが、それに紫苑が猛反発する。ふて腐れた紫苑を慰めるように克佑は昔話をする。

 そう。昔助けた龍は、克佑だったのだ。そして、紫苑を嫁に貰うために頑張ってきたことを知る。

「昔、一度約束しただろう。必ず迎えに行くからって。」

「克佑様。私、もう待つだけではいたくありません。」

 これからは2人で、共に歩んでいくのだと紫苑と克佑は曜帝を説得する。

 遠くばかり見ていた紫苑が、ようやく今をしっかり見てここ、克佑のそばにいたいと思うのだった。