私の青春の主役はあなたです

作者野方送理

今日も神崎高校2年生の若野久遠は放課後、クラスメイトの女子に呼び出されていた。

誰もいない教室…2人きりの空間…差し込む夕焼け…とくればもうあれしかない!

「んで、間宮さんは誰が好きなの?」

「あ、あの!…穂積くんのことが好きだから…手伝って欲しいんだけど…」

んん!?
そう、彼こそは「自…

私の青春の主役はあなたです

物語全体のあらすじ


「あ、あの若野くん…」


ここは放課後の教室。


夕日の差し込む中、男女が2人きり。   


男が口を開く。


「んで…間宮さんは誰が好きなの?」


「あ、あの!…穂積くんのことが好きだから…手伝って欲しいんだけど…」


「あー穂積ね!わかるかっこいいよなあいつ」






そう、彼こそは「自分の片想いは1つも上手くいかないくせに、他人の恋を手伝わせれば成功率8割」の高校2年生、若野久遠(わかの・くおん)であった!!



最初は単にその顔の広さから様々な恋愛相談に乗っていただけだったのに、いつの間にか「久遠に相談すると恋愛が上手くいく」なんていう噂が流れてさあ大変!


放課後、空き教室に呼び出されるたびに期待と緊張でドキドキし、それが依頼だと知って落ち込んでいた若野少年はもういない!慣れに慣れ切った久遠は5人目から「で、誰が好きなの?」と諦めた目の依頼前提で話を進め、そのアテが外れたことは1回もなし!


今日も誰かが彼を呼び出し依頼する!内容は告白のセッティングから喧嘩中のカップルの仲直り、デートプランの立案など多岐に渡り、どこからともなく舞い込む膨大な情報を元に様々なテクニックを駆使してカップル成立にベストを尽くす!


そんな他人のことなら百戦錬磨の久遠だが恋愛経験はほとんど無し。中学時代にクラスの女子から告白を受けて浮かれたのも束の間、恋人らしいことをするでもなく2ヶ月で振られてしまった。(恋人らしいことを何もしてあげなかったから、である)


つまり知識は大人、経験は赤ん坊、名監督にはなれども、名選手にはなれず。自分の高校生活を他人の引き立て役に費やすそんな彼にも好きな人がいる!


中学時代から片思いを続ける天音式(あまね・しき)だ。


一度告白して振られているものの、関係は切れることなく心地よい絶妙な距離感の友人として2人はつるんでいた。


しかしついに式から「素敵な恋人が欲しい」なんていう依頼が…!!!


自分が大好きな相手に最高の相手を見つけてあげたい思いと、隠していた今でも未練たらたらな式への恋心が久遠の胸中で渦巻く!


迷いながらも調査を始めた久遠だが式は恋人が欲しい」のではなく「今既にいる好きな人に恋人になって欲しい」ということに気づいてしまう…


式の好きな人は誰なのか、彼女からの依頼に下した決断とは、そして主役になれない久遠の恋の行方はー


1度きりの17歳の夏がすぐそこまで来ていた。