死神と黒羊の円舞曲(ワルツ)

作者二月 宴

 死者の魂を喰らう「黒羊」。冥界で生まれる「純系の死神」だけがその黒羊を狩ることができる。

 重度の方向音痴から、指導係の先輩カーティスにポンコツと皮肉られる純系の死神のシュゼットは、初めて訪れた人間界でカーティスとはぐれ、偶然出会った死神キースと行動を共にする。

 しかし多数の黒羊に追われ、怖じ気づいたシュゼットに、キースは自らが囮になろうとし、シュゼットは元人間の死神も黒羊の捕食対象だと痛感する。

 ある夜、人間界に降りたシュゼットとカーティスの前に、人間の姿をした黒羊が立ちはだかる。さらに他の黒羊が獣形から人形じんけいへと変貌。撤退を余儀なくされる。

 カーティスの指示に、負傷した死神と離脱したシュゼットは、待ち構えていた黒羊の動きに疑念を抱く。

 カーティスに上の空を咎められたシュゼットは事情を説明する。かねてよりその噂があったとして、カーティスは数人の死神の名を上げ、その中にはキースや、同じ純系の死神ケインの名もあった。

 数日後、人間界で黒羊に襲われたシュゼットは、非番のはずのケインに助けられるが、カーティスはシュゼットを連れ、その場を離れる。

 追いついたケインと、現れたキースに内通者だと指摘されたカーティスは、シュゼットの首に鎌の刃を当てる。

 かつて大罪を犯した純系の死神ミケイラの名を出したカーティスは、目的のために黒羊と手を組んだと明し、自分の鎌で自身の首を刎ねた。

 後日、ケインと共に呼び出されたシュゼットは、冥界の裁判官にして未来を司る神フィアルーカと対面し、キースがフィアルーカの内偵であったこと、カーティスを見張っていたことを明かされる。

 わだかまりを抱えたシュゼットは、管理局の友人トリシャからカーティスのことを尋ねられるが、気まずくなってしまう。

 管理局に赴く途中、シュゼットは偶然出会ったトリシャの上司であるキリヤに、カーティスの未返却本の返却を求められ、カーティスの部屋で古い報告書を見つける。

 一人でいたトリシャの前にカーティスが現れ、手を差し伸べる。侵入者の気配を察知したシュゼットは、カーティスと、彼と行動を共にすることを選んだトリシャを目にする。

 シュゼットはカーティスとトリシャの探索を申し出るも、諮問機関が対応するとして却下される。

 一方、返却された本を確認していたキリヤは、本の中からカーティスが「誰か」を人間界に逃そうと「誰か」と計画していたメモを見つける。