処女とヤリチンが国の政策で同棲したら奇跡的に上手くいきました。

作者東 城

 少子化防止策最後の砦として政府が着手したのは、国家規模のマッチングAIの開発だった?!
 25歳以上の未婚国民の情報は全てAIに記録され、AIがはじき出した最良の相手とのお見合いを国が徹底的にサポートする通称【お見合い法】が施行されて早十数年……最初は税金の無駄、馬鹿馬鹿しい等散々批判を集めたこ…

物語全体のあらすじ


 少子化防止策最後の砦として政府が着手したのは、国家規模のマッチングAIの開発だった。

 25歳以上の未婚国民の情報は全てAIに記録され、AIがはじき出した最良の相手とのお見合いを国が徹底的にサポートする、通称【お見合い法】が施行されて早十数年……最初は税金の無駄、馬鹿馬鹿しい等散々批判を集めたこの法律は、驚いた事に実を結びつつあった。


 一人っ子で安定した家庭で育ち、自分の世界に籠もって作業するのが大好きなイラストレーター郁宮日菜(28歳処女)。

貧乏な家庭に生まれ、寂しさを紛らわす為に数々の女性と関係を持って生きてきた元ホストのバーテンダー戸田哲(25歳ヤリチン)。

 お互い結婚願望皆無の2人はこの政策の一環で出会い、カップルになると貰える補助金や生活補助、更には結婚しろと煩い周囲の目を欺く目的で仮面恋人として同棲する事に。


 お見合い法で成立したカップルはお試し同棲期間として、半年間政府が用意したタワーマンション(家具付き。家賃光熱費無料。風呂トイレ×2。鍵付き個室有り)で生活する事ができる。

 朝型、夜型。処女とヤリチン。インドア派とアウトドア派。少し話しただけで自分達は何もかもが正反対だと悟った2人は【お互いの生活に干渉しない】と約束する。

 しかし、同棲していく内に互いの事を知る機会はいくらでも発生し、段々と仲良くなっていく2人。

食事、遊び、どちらかが風邪を引けば看病をして……と、友人とも、恋人とも、家族とも言えない状況で日々が流れていき、段々戸惑いを隠せなくなっていく2人。


 国に保障される同棲期間が終わるまで、残り1ヶ月。

 突然政府の担当者が家を訪ねてきて『日菜と哲は最良の相手ではなかった』と伝えられる2人。2人の最良の相手は別に居たにも関わらず、国の手違いにより2人がマッチングしてしまったという。

 こちらの手違いなので、期限通りまでこの部屋を使って問題ないが、日菜側の最良の相手が是非とも日菜と会いたいと言っており、可能であれば日程を調整したいと言う所まで話した政府担当者を「ちょっと2人で話し合う」と言って追い返す哲。


 2人の間に、重い沈黙が流れる。

 お互い初めての恋心をうまく処理できず、結局仲の良い友達止まりのままだ。


「――日菜ちゃんの初めて、全部俺に頂戴」


 ゆっくりと自分に伸ばされた哲の手を、日菜は拒絶する事ができなかった。