物語全体のあらすじ


ミクロネシアにあるリゾート地・パラオ共和国に3ヶ月のあいだ滞在することになった25歳の雨田ひかり。

ひかりが借りたアパートの部屋では、イルカの研究施設で働く獣医・レイが暮らしていた。ひかりがパラオに滞在している3ヶ月のあいだ、二人はルームメイトとして一緒に暮らすことになる。

はじめはレイを食えない男だと思っていたひかりだが、彼の職場を訪れたことで、レイが周囲の人々や施設で飼育しているイルカたちに対し、深い愛情を持っていることを知る。


次第にレイを意識するようになるひかり。しかし、ひかりには7歳の頃に最愛の母親に捨てられた過去があった。幼い頃「愛してる」といつも言ってくれていた母親から理由もわからず捨てられ、拒絶されたことがトラウマとなり、ひかりは本当の愛情というものがわからない。レイに惹かれる気持ちを抑え込もうとするひかりだが、ある晩、酒に酔って帰ってきたレイにキスをされる。そのままベッドに連れ込まれ、セックスの一歩手前の行為までされてしまう。はじめての快楽に戸惑うひかり。

翌朝、ひかりはレイと向き合うことができず、彼の前から逃げ出してしまう。その後、レイの同僚に会ったひかりは、昨晩レイがひどく酔って帰ってきた理由を知る。彼の職場で飼育していたイルカが急死し、ショックを受けた同僚からレイは責められていた。レイが傷ついていることを知ったひかりは、その晩、彼を抱きしめる。

レイは酔った勢いでひかりを押し倒してしまったことを詫び、「ひかりに惹かれはじめていて、そのことに自分でも戸惑っている」という本音を話す。二人は一緒に過ごしながら、お互いの気持ちを確かめようということになる。

ひかりの誕生日、レイはパラオにあるホテルへ食事に連れていってくれる。互いのことについて話をしているうちに「もっと一緒にいたい」と感じるようになったひかりは、レイと一夜をともに過ごす。

それから毎晩のように抱き合うようになったひかりとレイ。前に付き合っていた彼氏とのセックスでは快楽を覚えたことのなかったひかりだが、レイの手によってどんどん開発されていく。


恋人同士のような時間を過ごすひかりとレイだが、レイの友人であるアンナは「ひかりはレイのために故郷を捨てられる? それとも、レイにパラオを捨てさせる?」とひかりに問う。ひかりは祖母を東京に置いてパラオに引っ越すことはできないし、レイがどんなにパラオを愛しているかも知っている。レイと自分はいつかは別れなければいけない関係だということを思い知るひかり。日を追うごとにアブノーマルになっていくレイとのセックスに快感を覚えつつも、「いつかは別れる関係だから、レイもこんなことができるのかもしれない」と考えてしまう。

そんな中、ひかりはレイが自分のことについて誰かと電話しているのを聞いてしまう。レイが「彼女の方はわからないけど、僕は彼女を愛していない」と言っているのを聞いて、ひかりはショックを受ける。自分を捨てた母親と同じで、レイの自分に対する愛情も冷めてしまったのだと感じる。

その直後、ひかりの祖母・はるが入院したという知らせが届く。これ以上レイに恋をすると自分がつらくなると感じたひかりは彼に別れを告げ、帰国する。


2年後。ひかりは東京の小さな水族館で働いていた。上司が来て、新しく働くことになった獣医師をひかりに紹介する。現れた獣医師はレイだった。