高校時代の失恋を機に勉学に励み、都内の有名私立大学へ進学した清楚な優等生、“つむぎ”には、ある秘密があった。それは彼女が、ロマンチックな男女の色事に強い憧れを抱き、官能小説を好んでいるということだ。

 だがある日、バンドサークルのプレイボーイなギタリスト、“響”にその秘密がバレてしまい――

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物語全体のあらすじ


 高校時代の失恋を機に勉学に励み、都内の有名私立大学へ進学した清楚な優等生、“芦阪あしざかつむぎ”には、ある秘密があった。それは彼女が、ロマンチックな男女の色事に強い憧れを抱いているということである。


 文化祭の日、同じテニスサークルの先輩である“宮本七海みやもと ななみ”に誘われたつむぎは、彼女の高校時代の同級生、“九重響ここのえ ひびき”が結成したという四人組バンド“On The Chessboard”のライブを見に行くことになる。今は亡き父の影響から音楽を好む彼女は、ギタリストである彼に興味を持たれ、響と七海と彼女の幼馴染であるサイドギターの“広瀬奏斗ひろせ かなと”を含む四人で飲み会を開くのであった。


 つむぎの尊敬する義理の兄、“芦阪律あしざか りつ”の厳しい言いつけにより、20歳になるまではアルバイトを禁じられていたつむぎ。晴れて誕生日を迎えた彼女はバイト選びに悩んでいたのだが、ちょうどその話を聞いた響は彼の叔母、“九重恭子ここのえ きょうこ”がオーナーを務める、ギターの演奏を楽しめる喫茶店、“故郷ふるさとの窓辺”で働いてみないか、と彼女を誘う。


 こうして例の喫茶店で働き始めてから数日が経ったある日、勤務開始までの空き時間を潰そうと思ったつむぎは、近くの本屋で官能小説を購入しようとしているところを偶然響に見られてしまう。弱みを握られた彼女は彼と深い話のできる男友達の仲となり、久しぶりに女子会で再会した高校の女友達たちが異性交遊を楽しんでいることや、それを機に恋愛に前向きになったつむぎが交際に発展させたサークルの先輩である“西野一輝にしの かずき”とのすれ違いについてなど、様々な悩みを相談をするようになる。


 他方で、一輝とのデートの帰り際、彼に夜の誘いを断られたと勘違いしてしまったつむぎは、高校時代に“友達と彼女は違う”といった理由で失恋したことを思い出し、一輝といることを苦痛に感じ始め、彼との別れを決意する。


 さらに翌日、入学式を機に仲良くなった友人の“今井小春いまい こはる”に彼氏ができたことで、つむぎは楽しみにしていたランチの予定をドタキャンされてしまう。女子会で見た楽しそうに語る友人達の様子を思い出したつむぎは、誰でもいいから抱かれてみたいといった孤独感に苛まれ、校内で話題の出会い系アプリをインストールする段階にまで追い込まれてしまうのだった。


 そんなつむぎの様子を察したのか、いつもなら彼女を揶揄して反応を楽しむ皮肉屋の響が珍しくも気を使い、仕事終わりに食事へ誘う。だが彼女はそんな彼に冷たく接すると、帰りの支度を済ませて早々と職場を後にする。しかし数分後、つむぎは休憩室にスマホを置き忘れてしまったことに気がつき、急いで戻るが、それに気づいた響に出会い系アプリの通知を見られてしまうのだった。


 この件を境に響とつむぎの関係性は一変し、友達ではなく男女の仲に発展する。そんな二人の関係を好ましく思わない奏斗と小春。妹のつむぎに厳しく接する律の本音。響に想いを寄せているかのように振舞う七海。未だに彼女への未練を断ち切れない一輝。夢を叶えた恭子の唯一の後悔。それぞれが抱える葛藤と、彼らを通して成長していくつむぎ。


 そしてついに、セフレの仲でも幸せならそれで良いと感じていた彼らの仲が引き裂かれる事件が起きてしまう。ラストに明かされる響の抱え込んでいたつむぎへの罪悪感と、意地悪な彼が時折見せる寂しげな表情の正体。


 すれ違いつつもずっと前から惹かれ合っていた二人。その後の彼らの関係はいかに――