※この作品は「魔法のiらんど コミックシナリオ大賞」に応募しているモノです。

【物語全体のあらすじ】


 統合失調症で閉鎖病棟に入院していた成見須和子(31)は、看護師も手を焼くほどの奇行を繰り返し、そのせいで病院からは「これ以上は面倒を見切れない」と見放され、退院して親兄弟の暮らす実家で暮らすことになった。


 しかし、実家は針のムシロ。元々実の娘でない須和子は姉からのイジメを受け、両親からも腫れ物に触るように扱われて居場所を失っていた。それでも何とかうまくやろうとしていたが、須和子のカラダを操る幻聴達がそれを許さなかった。


 幻聴――須和子のカラダを操る7人の人格達は、須和子の両親や姉にまつわる罪を暴露し、須和子を苦しめたのはお前達だと責め立てた。幻聴と家族の板挟みにあった須和子は、これ以上実家には居られないと夫の住むアパートへと避難する。しかし夫は既に須和子を見放していた。


 夫に見放された須和子は一人暮らしを始め、近所の通所施設で偶然、入院仲間であった金森久美子(46)と再会する。結婚相手を探している久美子に付き合い、婚活の手助けをする須和子。そこへ出会い系サイトで知り合った男・増井隆樹(28)と関係を持ってしまう。


 増井と恋愛関係になる須和子だったが、幻聴達はそれを認めない。加えて自分より先に相手を見つけた須和子に久美子が激怒し、施設で散々悪口を言いふらして孤立させようとする。居場所を失った須和子は施設を退所するが、そんな時、驚きの人物から連絡が入った。


 驚きの人物――それは須和子が最も愛する男性・扇樹(38)。須和子に幻聴が聴こえるようになったきっかけとなった人物で、幻聴達によれば「自分達は扇のカラダを離れた生霊」「愛ゆえのテレパシー」だった。須和子はきまぐれな扇と永遠とも思える一夜限りのデートをする。


 しかし、扇にしつこく迫ってしまったせいか、扇は須和子を「二度と会わない」と突き放し、須和子は絶望してしまう。そんな時に優しくしたのは別れたはずの増井だった。

増井は須和子に「現実から逃げるな」と、男漁りを辞めて家族と暮らすよう言い聞かす。


 家族と暮らすのは辛い須和子だったが、自分が幻聴というチカラを借りて、言えなかった本心を吐露していたのだと改めて反省する。自分をイジメていた姉と向き合い、暴力をふるっていた父と向き合い、不倫して自分を生んだ母と向き合い、何より自我を手放した自分と向き合う。

 そして徐々に自我を取り戻していく須和子は、ある夢を抱くようになっていた。