物語全体のあらすじ


 大人気戦国ファンタジーゲーム「月光ヶ原」

 友人と七回目の全ルートクリアを目指していたが、風呂で溺れ死んだことを思い出す東金トウガネ 小鞠コマリ


 今世は戦国時代真只中で、自分は刀鍛冶の娘。手には、死んだ父親に「この刀を相応しい持主へ」と託された妖刀、月灯ツキアカリ

 国中の人間が月灯を狙っていた。月灯は「何者であろうとも無双の力を得られる」と語られた伝説の刀である。しかし、生み出した先祖一族である小鞠か、月灯に選ばれた相応しき者でなければ命が削られる呪われた妖刀でもあった。

 前世の記憶を思い出した瞬間、小鞠はこの世界がゲームと同じ世界だと理解する。ゲーム通りであれば自分はプレイキャラである東軍へ妖刀を引き合いに向かい入れられ、そこで徳川に懐柔を試みて振られ、腹いせに妖刀を奪って西軍に寝返ろうとするところで殺されるモブの汚れ役。


 ゲーム通りに目の前が展開していく中、小鞠は最初から西軍側につくことをその場で決める。

 前世で小鞠はプレイキャラの東軍ではなく、敵キャラの西軍が大ファンだった。敵として毎回死んでいく西軍の儚さや散りざまに何度も床を叩いたことを昨日のことのように思い出す。ゲームのキーアイテムでもある妖刀を使い、西軍勝利ルートを切り開くことにする。


 「月光ヶ原」は関ヶ原をモチーフにした呪術で戦うファンタジー世界。ゲームでは、妖刀である月灯を持ち運べるのは自分を除けば東軍のプレイ武将だけ。月灯さえ東軍の手に入らなければ西軍にも勝てる可能性は充分あると考えた小鞠は、西軍でも月灯を使える持ち主を探すことにする。

 月灯を引き合いに西軍へ招き入れられた小鞠は、そこで西軍総大将である石田。その親友である大谷を始めとする西軍武将達と出会う。最も好きなキャラだった大谷とも会えて喜ぶ小鞠は、己への好意に戸惑う大谷と次第に仲を深めていく。


 また、彼らと共に生活していく内に東軍との因縁や呪いの存在など、ゲームでは語られなかった西軍武将の秘密を知ることになる。

 石田、大谷、島にはそれぞれ命を削る呪いが掛けられていた。彼らの呪いを解くべく小鞠は戦に巻き込まれながらもゲームの裏側へと手を伸ばしていく。


 小鞠が自らが保持する月灯の意義を正しく知った時、世界の天秤は大きく変わり出す。


 ゲームに勝利を約束された東軍と、敗北を約束された西軍。

 月灯に認められるのは誰なのか。


 呪われし武将を救う為の物語が、いま始まる。