まだ塩が貴重な室町時代初期の日本。
信濃国の松本地方で塩不足による疫病が流行し、世の中が荒廃する中、後宇多天皇の御落胤として静かに山中で暮らしていた神夢室(かむろ 19)は、疫病に感染して瀕死の状態の妹と、塩を持ち帰るまで松本地方の殿の女鳥羽殿に人質に捕られた弟と祖父を助ける為に神夢室の持っている…

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物語全体のあらすじ


 まだ塩が貴重な室町時代初期の日本。

信濃国の松本地方で塩不足による疫病が流行し、世の中が荒廃する中、後宇多天皇の御落胤として静かに山中で暮らしていた神夢室(かむろ 19)は、疫病に感染して瀕死の状態の妹・恋紫餡(こしあん 11)と、塩を持ち帰るまで松本地方の殿の女鳥羽殿に人質に捕られた弟・つぶ餡(つぶあん 13)と祖父・丁春(ちょうしゅん 63)を助ける為に神夢室の持っている3種の神器の1つの草薙剣を手に入れようとする北朝の足利尊氏の刺客に命を狙われながら弓矢の名手の霧矢(きりや18)・ポジティブな美容男子の流来(るく17)・蕎麦に目がない竹細工職人の心星(しんせい19)と共に加賀へ塩を貰いに旅に出る。

 

 だが、本来は越後へと通ずる塩の道が土砂崩落で不通の為、魔物が住むと言われている前人未到の飛騨の山を超えなくてはならない。しかも女鳥羽殿の無理な命令で通常は往復で6日かかる道のりを3日以内で、というタイムリミット付きだ。

 道中、日本一高い場所にある標高900mの大鍾乳洞(風穴)で神夢室たちは北朝の刺客に襲われる。なんとか難を逃れた一行だったが、その後も氷穴やラフレシアのような毒花の群生などに行く手を阻まれる。


 どうにか神夢室は加賀に辿り着くが、殿の前川殿は生き霊に取り憑かれて操られていた。前川殿の娘の美蝶姫(みちょうひめ 16)の助けを得て神夢室は塩を手に入れ、松本へ戻るが女鳥羽殿は塩を独り占めしようとし神夢室たちを殺そうとする。神夢室から草薙剣を取り上げた女鳥羽は鞘から抜こうとするが鞘はびくともしない。だが、神夢室が手にした途端、草薙剣は神々しく輝き出し、神夢室はいとも簡単に剣を鞘から抜く。草薙剣は持つ人を選ぶのだ。一振りで一度に何千人もの人を殺せる、という草薙剣を使いこなす神夢室に女鳥羽殿は恐れをなして降伏する。


 無事に妹や弟、そして祖父を助け出した神夢室だったが、心星が疫病に罹り、神夢室も感染してしまう。残り僅かしかない塩を神夢室は迷いなく心星に差し出す。心星は妹の深梅(みうめ 13)と2人兄弟で、心星がもし亡くなってしまったら深梅が1人ぼっちになってしまうからだ。

神夢室の症状は次第に悪化し、命の危険に晒されるが、美蝶姫が気を利かせて追加で送ってくれた塩で命拾いする。


 そして、死にそうになった時に夢で見た生き別れた両親からの神の啓示のようなお告げにより、神夢室は南北朝合一の為に上洛する。