絶妙な人間関係と、間接的に攻撃され擦り減っていく主人公の精神。社会人なら経験したことのありそうな、他人に対して嫌味なくらいの無関心さ。とてもリアルで、読んでいて胸が苦しくなる。そんな中で差し込む希望と、他愛ないひととき。自身も抱えている苦労や闇を見せずにあっけらかんとしている同級生の温かさ、優しさ。同級生の彼との会話で、読者自身の精神も回復していくような擬似体験を経験できました。物語を読んでいてこんなにも安心したのは、初めてです。素敵な作品をありがとうございました。