過去も現実も未来も、私が泣いたって、泣かなくたって、変わらない。でろでろ、ずぶずぶ、どろどろ、この恋に、春なんて言葉が遣えない事は、誰だって知っている。何をしても、その深淵に飛び込まなければ、満たされないというのなら――……私は、もう、何も要らない。未来も、進路も、将来も、何も。
大人は言う。
「高校生」は一番の「青春」だと。
青い、春。
この想いに、そんな名前はつけられない。
「私は私の未来なんて、消えてしまえばいいと、
そう思います」
少年のアビス 短編小説コンテスト参加作品