オムニバス形式のショートストーリー。ひとりひとりに悩みと夢がある。ある日、不登校だった静間結衣子はのんびり屋の青年、湯雲流水と出逢う。


「おじさん、こんな所で何をしているの?」


私は野原でのんびりと大の字になっている

男性に声をかけた。




「ん?何って?見て分からない?」


「“何もしていないよ”」




さも、当たり前のように答えた。




「ふーん、そうなんだあ…」



私も隣りで大の字になった。



「おじさん。私の話きいてくれる?」


「僕はおじさんって名前じゃない。」


「じゃあ何て呼べばいいの?」


「名前かぁーそうだなぁー……。

湯雲ゆくも流水りゅうすい。それが僕の名前だ。」


「…それ、本名??」


「そうだよ。カッコイイ名前だろ?

君の名前は何だ?」


「私は静間しずま結衣子ゆいこ。可愛い名前でしょ?」


「名前の割には静かじゃないな。」



湯雲さんはケラケラと笑いながら

いつまでも空を見る。



「時間はたっぷりある。

雲と一緒にありのまま。

話を聞かせてよ、結衣子。」


「ええ。わかったわ。覚悟してね!」




私は風を感じながら話を始めた。