「10円返しに来ました」たかが10円をわざわざ返しに来る律儀な年下の彼は、親友の彼氏。こっちを見るな、近付くな、触るな、これ以上踏み込まれると好きになる。
「そばにいて。お願いだから」
彼と一緒にいると、
息をするという当たり前のことさえ苦しい。
「先輩また会ってくれますか?」
頭ではちゃんと分かってる。
彼は、親友の彼氏だ。
*数年前に公開していたものを加筆修正しながら更新しています。以前と異なる箇所が多々ありますがご了承ください。