あのね、神様。
下宿の大家のユウミさんが天使みたいな超美人っていうのは良いですよ。
実際、志望の大学に落ちて一番苦しい気持ちの時に彼女と出会えたので、僕は救われました。恋というのは生きる目標にもなり得るんですね。
ですが……
僕を救う為にユウミさんを、下宿サンクチュアリを遣わしたというのならば、ど…

夏が終わりを迎える頃、志望の大学に落ちた僕は人生の進路変更を余儀なくされていた。

「もう諦めて、野菜を育てる人になりなさい」とお母さんは言う。

でも僕は絶対に諦めたくなかった。医者になる事は人生の目標だったからだ。


途方に暮れる僕に、友人のマイクが手を差し伸べてくれた。シャーロック・ホームズという名前の人を通して、「サンクチュアリ」という下宿を紹介してくれたのだ。

その下宿はベーカー街という一等地に立っているのに、家賃は安く、おまけに天使のように美しい大家さんがいる素敵な所。条件は最高だった。

何より、僕は大家のユウミさんに一目惚れして即座に入居を決意した。


ところで、サンクチュアリの下宿人は僕の他にも二人いた。

まず、僕にサンクチュアリの住所を教えてくれた探偵のシャーロック・ホームズさん。

そして、「ロビン・フッド」という名前で活動をしているという画家のロバート・ハンチンドンさん。少し変わっている所はあるけれど、二人とも優しくてとても格好良い男の人だった。


“大学には落ちてしまったけれど、僕は別の幸せを見つけたのかも知れない”

……ずっとそう思っていた。


ホームズさんとロビンさんの二人が、実は「リーオック」「コノハヅキ」という名の殺し屋で、しかも僕と同じように、大家のユウミさんに熱烈に恋をしていると知るまでは。