『Identity V 第五人格』の世界に迷い込んできた「自分」

作者ぱそ

第五人格の世界を通して、死にたい人間が自分自身のアイデンティティを確立する話。

SF風味にしたかったです。三周年おめでとうございます。

死にたいとずっと思って生きている。そんな高校生である自分。痛い思いは出来ればしたくないから、『殺して欲しい』が正解かもしれないが。

なぜ死にたいのか、はっきりと答えることは出来なかった。将来が不安だとか、両親の期待に答えることが出来ないとか、適当に理由をつけることもなんとか出来たが、それが本心であるとはどうにも思えない。

自分が成長するにつれ、そんな霞んだ思いをどうにか晴らしたいという気持ちが大きくなった。ならば、どうするべきなのか。柔い脳みそで考え抜いた先に、自分のアイデンティティがはっきりとあればこの気持ちの理由がはっきり分かるのかもしれないという結論になった。だから高校生になってから、事ある事に目立つ様にした。所謂『高校デビュー』だが、無事に成功し、友達も多くできた。しかしこの薄暗い思いが晴れたことは無い。


それは帰宅して、学校指定のカバンを布団に置いた時だったか。いきなりぐにゃあと目の前が歪む。足に力が入らず、そのまま布団にもたれ掛かる。あぁ、もしかしたら願いがかなったのかもしれない。よかった、痛くなくて。でも......自分の気持ちを分からないま死ぬのかと焦燥感が生まれてはいた。