日頃から人の目を気にして、気を使い、自分から檻の中に入り出られなくなってしまった少年は平気で嘘をつき自分を偽り生きるのです。それしか方法を知らないから…

ああ…まただ。この目…また僕はこの人の機嫌を損ねてしまった…。


雨の日のようなジトついた目。

僕を呼ぶ時の不満の声。

何回にも渡るため息。


この人の機嫌を損ねた僕のせいだ。

謝らなきゃ…。


「ごめんなさ」


「なにが?」


「え。」


「なに、なんで怒ってるかも分かんないで謝ってるの?」


「…」


理由がわからなかった。僕は…なにをしたのか


「はあ。あっち行って。邪魔。」


「はい。」


この会話が週に3回ほどある。


【声を出して泣きたい。助けを求めたい。】


そんな事思えるはず無い。だって。


この会話をしてる相手は母なのだから…


僕の居場所はどこにあるのだろう。


「こ こ だ よ」


「えっ?」


今何か、誰かが耳元で囁いた気がした。


「誰??」


ベランダにふわっと現れた少女。

透き通るような白い肌。

吸い込まれるような青色の美しい瞳。

光に差され輝く白髪の髪。


一言で表すのであれば「天使」という言葉が

似合う子だった。


「こんにちは。私は 白 と言います。」


「はく、?」


「ええ。白と書いてはくよ。」


今にも消えそうな声で名前を教えてくれた。


「なにか飲み物を持ってくる」


焦っていた僕はとっさに

飲み物を取りに向かった



カランコロン


「お待たせ。麦茶だけどよかったら」



「ありがとう。聖夜くん」


久しぶりに名前で呼ばれた気がした。せいや…僕の名前だ。


「うん。」


あれ。でも何故白さんは僕の名前を知っているんだろう。