桜が赤く染まることがある。内戦の夜分になると必ず染まるのだ。久坂は、幼馴染の結月と共に赤黒い色の桜を眺めていた。江戸末期の戦争が酷くなるなか、周りの班も家臣の出入りも激しくなっていた。大切な仲間や、お上ですら緊張感を発している。その中でも、久坂は般若の様な表情をしたことはなくただ虚いでい…もっと見る