徒花。それは異能力を持つ人間を総称した言葉だ。
この世界には限られた人間が徒花となって生まれ落ちる。
時に恐れられ、時にその力を狙われて。そうして徒花たちは世界の波に飲まれていく。

島国、桜花国(おうかこく)は中心都市・花霞(はなかすみ)は平和的で国際色豊かだ。その裏では様々な組織の抗争があるこ…


徒花、それは異能力を総称する言葉。


表で暮らせる者もいれば、裏でしか生きられない者もいる。



黒龍ヘイロンには気をつけろ。

あの男の仕事を見たら最後、命はない。

捕らわれれば逃げることを許さない徒花の龍だ。



可憐に咲く徒花はその忠告を思い出しながら苦笑する。



「あぁ、本当に私は運がない」



徒花の言葉に龍は笑った。



「俺は運が良かった」



ぎらりと煌めく鋭い眼に徒花は悟る。

逃げられない、この龍からは。


徒花は小さく息をついて諦めたように龍の腕の中へと身を寄せた。



徒花は今日もかたわらで咲く


徒花



※この作品はフィクションです。


※作品内に登場する人物・組織は架空のものであり、物語で発生する事件などは犯罪行為を助長する目的はありません。