僕たちは「青春」を追いかける。

作者水月つゆ



教室の隅で目立たない学校生活を送っていた茅影向葵(ちかげこうき)。
そんなある日、転校生がやって来た。
三日月(みかづき)ひまり。
彼女は、僕とは対照的で明るくて眩しかった。そんな彼女に、「だから、一緒に青春してみない?」と言われて僕の学校生活は瞬く間に変化する。けれど、彼女には秘密にしている…



影が薄くて目立たなくて、いつも教室の隅っこで本を読んでいた僕は、寂しいとか孤独感や劣等感に気づかないフリをして、一人過ごた。


それは今も、そしてこれからもそれが続いていくのだと思っていた。



──そんなある日、転校生の“三日月ひまり”がやって来た。



僕とは対照的なきみは、いつも眩しかった。


夜空に浮かぶ月のように、暗闇の中にいる僕を照らしてくれる。



けれど時折、きみは悲しそうな表情を浮かべる。


笑顔の裏に隠しているものは、一体何なんだろうか──?