ご落胤じゃありませんから!

作者実川えむ

レイ・マイアール、十六歳。
黒い三つ編みの髪に、長い前髪。
その下には、黒ぶちのメガネと、それに隠れるようにあるのは、金色の瞳。

母さまが亡くなってから、母さまの親友のおじさんのところに世話になっているけれど。
最近急に、周りが騒々しくなってきた。

え? 父親が国王!? ありえないからっ!



珍しい金色の瞳のせいで、小さい頃から虐められていた。

だから、できるだけ目立たないように、大人しく、大人しーくっ、してたのに。


なんで、今頃、見知らぬ偉そうな人がやってくるの?

その上、親子鑑定? 何それ?


は?

国王?

誰、それ?


え?

王太子!?

何よ、それっ!


母さま、私、色々、聞いてませんっ!