淵覘の魔女はサファイアの夢を視る

作者アヤメリナ

「あなたは誰ですか?」
「ここはどこですか?」
「私は誰ですか?」

 真っ白な少女の目醒めを待っていたのは、影のように真っ黒な男だった。
 
「君は、この世界にただひとかたの予見者だ」 

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 淵覘えんてんの魔女と呼ばれる予見者よけんしゃの一族・ゴードン家の生き残りであるリザナルは、聖アンティクウス教団魔法魔術学院へ入学することに。

 記憶喪失で右も左も前後天地すらちんぷんかんぷんのリザナルには、サマーホリデーに問題が山積み。毒学どくがく教授兼世話役のグレイウッドに怒鳴り散らされるわ呆れ果てられるわ、散々である。

 本を読み漁ってレポートに励み、紅茶やスイーツを嗜んで、個性豊かな友人たちと出逢い、箒には乗れずすったもんだ。翼のあるウルタールの猫・バエルを愛でつつ、コルドロンで聖水を煮つめ、とにもかくにも大忙し。

 自らを知るために、なすべきことを見つけるために、リザナルは日々奮闘する。

 しかし入学早々、不穏な事件が学院カレッジを襲い――。


 ORBオーブ、ルジェル、聖戦ベルルム誓約ゲッシュの繋縛、赤々あかあかしい魔法円、血玉の滴る銀ナイフ。

 忘却ぼうきゃくの向こうでる夢は未来か、過去か。

 がれる少女とれる男のセンチメンタル・ファンタジー。