竜―――それは、美しい女の姿と醜く猛々しい獣の姿の両方を持つモノ。
番いと呼ばれる人間の男の祈りを受けて力を増す彼女たちは、時に神話の住人として、時に兵器として、人間と共に生きてきた。
これは、孤独な少年と孤高の竜の旅物語。
2人の旅が終わるとき、世界は、変わる。

 スラムで暮らすヨズアはある日、竜同士の争いを目撃する。墜落した竜を手に入れて売ろうと考えたヨズアが後を追うと、そこには美しい女が倒れていた。この世界では、竜は人間の女の姿をとることができるのだ。

 だが、オルドリシュカと名乗った彼女は王国が所有する竜であり、ヨズアは罪人として軍に追われることになってしまう。

 オルドリシュカに無理やり番いにされてしまい、行動を共にするしかなくなってしまったヨズアは、国を脱出し彼女の故郷を目指して旅を始める。

 他人を信じられない利己的な2人の旅路はトラブルの連続。最初は反発しあい単独での行動ばかりしていたが、旅の途中で出会う人々や仲間たちとの出会いをキッカケに、少しずつ相手を信じ思いやり、互いのことを考えての行動ができるようになり始める。


 旅の果てに待っているのは、竜の真実と人間による暴虐の史実。

 すべてを知ってしまっても、君を信じ、共に生きることができるのだろうか。

 「誰かのために」を考えさせられる、異世界冒険ファンタジー。