世界に奇病が蔓延していた。『若返り病』である。これは、余命幾ばくもない老人のみがかかる病。ある日、突然、杖をついていた老人が二十歳前後まで若返るという現象が確認された。そして、若返り病を患った者は一ヶ月以内に確実な死が訪れる。これは、そんな奇病にかかった老人たちが紫苑園で過ごす最期の三十日間の物語…

世界に奇病が蔓延していた。『若返り病』である。これは、余命幾ばくもない老人のみがかかる病。ある日、突然、杖をついていた老人が二十歳前後まで若返るという現象が確認された。そして、若返り病を患った者は一ヶ月以内に確実な死が訪れる。これは、そんな奇病にかかった老人たちが紫苑園で過ごす最期の三十日間の物語である。主人公の子糸井潮美は若手ながらベテランの終末介護士である。紫苑園には一つ、絶対的なルールがある。それとは『恋をしてはならない』というもの。しかし、潮美はある日、担当することになった音羽雄一郎に恋をしてしまう。その想いを隠しながら、必死な日々を過ごす潮美。ある日のこと、潮美は唐突な別れを経験する。密かな恋心を抱いていた担当利用者の死。泣きじゃくりながら、冷たい骸と化した愛する男性に愛の言葉を叫ぶ潮美。すると、奇跡が起こる。なんと、死亡したはずの音羽雄一郎が目覚めたのだ。歓喜する潮美であったが、その日から、紫苑園には不可解な事件が起こるようになった。暗躍する怪人。次々に不審死を遂げる紫苑園の人々。その日、安らぎの園は怪異の蔓延る戦場と化すのであった。


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