Ever lost memory:たとえ世界の全てを敵に回したとしても

作者北條連理

———これは、君と世界と、恋のお話。

 感染した人間を99%の確率で死に至らしめる因子——『ネメシス』。その因子に適合した僅か1%の人間(適合者)は「ヒト」ではなくなる。彼らは『ネメシス』により超常の異能と殺人衝動を付与され、『ネメシス』をばら撒く感染源と化すのだ。故にその存在は人類の災厄とされ…

 ———これは、君と世界と、恋のお話。


感染した人間を99%の確率で死に至らしめる因子——『ネメシス』。その因子に適合した僅か1%の人間(適合者)は、「ヒト」ではなくなる。彼らは『ネメシス』により超常の異能と殺人衝動を付与され、また『ネメシス』をばら撒く感染源と化すのである。故にその存在は人類の災厄とされ、各国政府主導の研究所に秘密裏に収監、管理されていた。

 そんなある日、研究所から一人の適合者の少女が逃げ出し、一人の少年と運命的な出会いを果たす。少女に一目惚れした少年は、彼女の置かれた境遇を知らぬままに救いの手を差し伸べ———その手を少女が握った瞬間、全ては音を立てて動き出した。

 共に研究所の追っ手から逃げる最中、少女は初めて手にした温もりに戸惑いながらも、少年に惹かれ。少年は、地獄の底で生きる独りぼっちの少女を救いたいと、強く願う。少女を助ける事は、数多の罪無き人を犠牲にする事だとしても。その結果、己がどれ程の罪咎を背負う事になろうとも。———たとえ、世界の全てを敵に回したとしても。

 逃避行と戦いの果て。少年と少女が掴み取る未来に、希望はあるか。