墨染公主は笑わない 仮面夫婦の初恋指南書

作者西野 翠

天女に会った。
風が吹いた。

恋に落ちた。



人前では常に黒いベールで顔を覆い、「墨染公主」とあだ名される紫水はその風貌から兄弟にも疎んじられる存在。
そんな彼女も、17才の誕生日に仕事の鬼で有名な大理寺の官僚、斉潁の元に降嫁する。

 祝言の夜、二人は夫婦の儀を済ますが、初夜から別々の部屋…

ストーリー概要、物語の設定


皇帝の公主、紫水しすいは16才。

特殊な能力により人と接する事を避け面紗ベールで顔を隠す彼女は不吉な存在として兄弟からも敬遠され、後宮の奥でひっそりと暮らしていた。

そんな彼女も、遅ればせながら17才の誕生日に降嫁する。

彼女を迎え入れたのは、仕事の鬼で有名な大理寺最高裁判所寺正局長斉潁さいえい

祝言を終え、夫婦の誓いを交わすも初夜からふたりは別々の部屋で寝ることに。紫水はやはり自分は忌み嫌われる存在なんだと落胆する。それでも親友の為にも離縁できないと考えた紫水は、仮面夫婦を演じきる事を選ぶ。 


一方、願い叶って迎え入れた公主が可愛すぎて、挙動不審になる斉潁。仕事に邁進し過ぎて恋愛偏差値の低い彼は紫水との関係構築に悩み、寝不足になる。見かねたチャラ男の後輩が「恋愛のお作法」を彼に指南する。アドバイスを真に受け、斉潁はあれこれ紫水に働きかける。

初めはぎこちない二人だったが、彼の心遣いに少しずつ紫水も心を開き、一緒に過ごす時間が増えていく。


そんなある日、斉潁の友人が失踪する。手がかり無く焦る彼に紫水は自分の能力を告白し、手伝いたいと言う。そして二人で向かった彼の部屋で、彼の感情が強く残る、ある一冊の折本メモ帳を見つける。それは意外な事件に繋がっていて…。


自分の殻に閉じこもっていた主人公と、真摯に彼女を想うのに不器用で要らない誤解を招きがちな青年。しがらみが多く、正直に生きていくのが困難な時代に、二人はいわゆる政略結婚で伴侶となる。身分や立場が人を引き裂く世知辛い世の中、それでも想いあい、信じあえば心はきっと、結ばれる―。


恋愛初心者のふたりが「ほんとうの夫婦」になる為に奮闘する、中華風ラブコメディ。