生物を〈生ける屍・グール〉へ変化させる感染症発生によって封鎖された九州へと、それぞれの目的で上陸した人物たちが織り成す群像劇。連作短編。


第一章『プレミア』

 生物を〈生ける屍・グール〉へ変化させる感染症の発生によって、九州が封鎖されてから七年。 レアもののフィギュアを収集すべく、九州に上陸して、空き家となった民家で盗みを働いていた白石は、家主と名乗る男性と出会す。



第二章『ギフト』

 市民団体TABLEの敷地内で起こった殺人事件の被害者は、刃物で傷つけられていたうえに感染の症状があらわれていた。事件調査をはじめた掛橋は、被害者と最後に接触した山岡と対面して問い詰める。



第三章『ハンター』

 無国籍者であるウディとともに人身売買の仕事をしていたファンは、自身の倫理観に疑問を抱くようになる。本当に醜いのはグールと呼ばれる感染者か、それとも人間の心か。問いの答えを探しているさなかに、黄は自らの望まざる行動ですべてを破壊してしまう。



第四章『メタフィクション』

 九州へ上陸する度に殺人事件に巻きこまれてきた柏樹かしわぎは、三度目の上陸でも〝同じ状況〟に陥ってしまう。事件が繰り返されぬよう奔走ほんそうする柏樹だったが、思いがけないところから周囲の人物たちが繋がりはじめる。



第五章『グール』

 探していた人物の行方をつかんだ板野は、市民団体のドライバーを脅してフォレストホテル跡地を目指す。跡地で板野が目にしたのは、銃器を所持した謎の男たちの姿だった。



第六章『メメント モリ』

 板野らの居場所のあたりをつけた柏樹と荒木は、広域捜査官の二宮へ連絡して、フォレストホテル跡地へ向かうが、ホテルの正門前に到着するなり謎の男から襲撃されてしまう。



最終章『グロウ アップ』

 九州を強制退去させられた白石は、荒木の周辺を探りはじめる。

 九州で不審な行動を取っていた荒木が、ひた隠しにしていた秘密はなんだったのか——その真相を突きとめた白石は、継承の決断をする。