ある日、目が覚めるときらびやかなベッドの上だった。

隣にはプラチナブロンドの女性が横たわり、どう見ても『事後』であった。

夢でも見ているのかと思ったがどうやらそうではないらしい。

ここは中世ヨーロッパ風のファンタジーの世界。どうやらこれが今世の自分だったようだ。

今世はブリトニア帝国、暴君…

目が覚めたら、一国の皇帝になっていた七男。前世では多くの兄弟に不便を強いられていたが、この世では自分がトップで一番の権力者であることに興奮する。しかも、一度は経験してみたかった、目の覚めるようなイケメンに生まれたのだ。妻は絶世の美女。七男はこの世の全てを手に入れた気持ちで笑いが止まらない。


だが、この暴君として名高いヘンリーのしでかした尻拭いから始めなくてはならなかった。


まず、父親を見て震え上がる子供らしさを失った幼い娘。皇帝を恐れ近寄らなくなった家臣。不満を募らせた帝国の民。


やがて、現世のヘンリーの人格も現れ始め、ヘンリーが暴君であったのは、まだ幼いヘンリーに良き指導者がいなかったこと、かつ、ヘンリーが人の心を読める異能を持っていたことによる、人間不信であった。二人で前世の経験を元に国を変えることに奮闘する。


メドがついた頃、後継者を望む声が上がる。遂に妻と向き合う時が来た。出会いは『事後』であり、娘もいるので今さらなのだが、たどたどしく、恋愛を始めることとなる。