悪魔たちに捧げる

作者一角獣

悪魔の強大な力の元で、治癒を提供する存在として生かされている天使たち。同族からも恐れられている悪魔一族、ベネット家と気弱な1人の天使が織り成すお話。




「ベネット家のヒーラーが遂に倒れたらしい。」

「もう先は長くないな。次は誰になるんだ。」


「あぁ、恐ろしい。うちの娘はこの前16になったばかりなのよ。」

「若い天使は向こうの女に八つ裂きにされて帰ってきたこともあったそうね。」





町が安寧をざわつかせる噂に怯えている。

ここは天使の町。


天使は、悪魔の強力な力によって守られている。天使と悪魔の存在が均衡していたなんて、とうの昔の話だ。

今では、悪魔の怪我を癒し、寿命を伸ばすヒーラーという治癒天使を捧げることで生かされている。



ヒーラーという穏やかな名前の裏には、生贄という残酷な使命が隠されている。






「マーガレットさんのお宅には、確か両親のいない年若い娘がいたような……」





これは1人の天使と1つの大きな悪魔一族が織り成すお話だ。