令和の時代。一人の着物好きの少女が質屋で出会ったのは一着の着物用のコートだった。コートは綴る。少女のように目をキラキラさせ、コートを作らせた「孝子さん」のことを――。広島市の西遊郭に関わる家に生まれた孝子さんはあるとき、コートを作らせる。その完成を楽しみにしていた彼女だったが、戦争の波は色濃く…もっと見る