桜の時に思い出して

作者織本紗綾

17の春、心に残る恋をしました。

私の前に一人の教師が現れて、心をさらっていった。ヘラヘラと笑う人の良さそうな笑顔が最初は嫌いだったのに。

話す前から嫌いだと史織に決めつけられたその教師は、名を澤田和史(さわだかずふみ)と言う。クラスのほぼ全員が自分に好奇の目を向ける中、一人後ろの席で窓の外を…