図書館ぐらし~または妾は如何にして耐えるのを止めて此処に囚れるようになったか

作者からした火南

 お待ちください。どうぞ、お待ちください。
 妾の姿が見えてらっしゃるんでしょう? 妾の声が聞こえていらっしゃるんでしょう? どうか行かないで。どうか話を聞いてくださいまし。
 後生ですから少しだけ、少しだけお時間をいただけませんでしょうか。どうしてこんな所に住んでいるのか、どうして図書館に住まう…