生物好きの少年・赤翼 有真。彼はある日、炎のような紅い体毛と輝く金色の尾羽を持つ1羽の雛鳥を見つける。弱っている雛を保護しようとしたところに、不思議な美少女・不知火 雛子が現れる。ひょんなことから彼女の秘密を知ってしまう有真。彼女はその雛鳥は不死鳥だと言い、自身もそれと深い関係があると語り始める。…

地球上に存在する生物の数を

考えたことはあるだろうか?


答えは約870万種類とも言われている。

内、86%もの生物は名前がない未知の存在。


言い方を変えれば、未確認生物なのである。



それを踏まえた上で、

文献や過去の書物に出てくる

空想上の生き物を思い浮かべて欲しい。


龍などの怪物から人魚などの亜人まで、

西洋東洋問わず存在する彼らを

一体誰がいないと否定できるだろうか?



まだまだこの世は未知の世界で、

僕はどんな生き物もいると信じている。


これを言うと大抵笑われる。

僕、赤翼 有真は高校1年生にもなって

こんな中二病的思考が抜けていない。



「…ピィ!」


そんな僕が…1羽の雛鳥を拾った。

紅い体毛と金色の尾羽。

暖かいよりも熱いと感じるその体温。


「あっ!そ、それ…!」


僕が見つけた雛鳥を指さし、

1人の女の子が驚いた目で見つめる。


不知火 雛子さん。

いつも独りな、同じクラスの女の子。


彼女は僕に近づき

雛鳥に触れようとした…その時…



生き物に夢見がちな僕と

誰とも関わろうとしない彼女。

そんな2人が1羽の雛鳥を通じて

命の大切さと青春を知っていく、

炎天下の青春ファンタジー。