WEBデザイナーとして働く社会人二年目の二十四歳
『莉子ちゃん食事どうかな?』
『コンサートチケット貰ったんだけど』
『良かったら週末ドライブに行かない?』
誘われても必ず口にするのは
『ごめんなさい』
いつしか高嶺の花なんて呼ばれるようになったけれど
実は言葉数の少ないクールガール
大学の卒業式で告白され
初めて出来た彼氏は同い年
その彼を悲しませたくない一心で
断り続ける莉子を
彼が裏切っていた
『・・・苦しい』
悲しいよりも胸が苦しい
歓楽街に迷い込んで大泣きする莉子を助けたのは
行きつけのBARのマスターでした
2022.04.26 fin