よく咳をしている野瀬くんはなんでも喉か肺かが弱いんだとか。そんなの気にしてなかったけど、ある日煙草を吸う瞬間を目撃してしまう。慌てて火を消した彼は一言、「俺、高校生じゃないんだよね」そう言って私に煙を飲ませた。
「俺、過去から来たんだよね」
そう言って地面に煙草を擦り付けて
「正確に言うと、未来から来たんだけど」
淡いオレンジの煙を纏った、ように見えた
ーここで生きる条件は、それを吸うことー