◆櫻絵の祖母となる風間フクは、激動の関東大震災で、生涯の伴侶、生原元を得た。
時は過ぎ、フクの次女生原さくらが、娘の生原櫻絵に父の危篤を知らせる。
二十三歳の櫻絵は、父への想いで時化(しけ)に遭ったようになり、さくらも心を乱した。
櫻絵と別れたばかりの橘寧から、心配する声が届くと同時に、絵画で燦展…

しば桜


風が吹く度

私にそよぎ


火の粉が舞うとき

私を庇う


しば桜


水の鏡が波紋を消すとき

真の姿が浮かび上がる


木陰で愛してくれる

隣のあなた


本当を知るとき

しば桜は愛を謳おう




☆☆☆




2022.07.01 初出

2022.08.12 改稿中




いすみ 静江