初めて書いたので雑なところが多いとは思いますが読んで頂けたらなと思っております。

 夏の終わり頃だっただろうかその日はやけにセミが五月蝿く蒸し暑い日だった、僕は君の横顔を見たまま黙っていた。

今日、君はこの町から居なくなる。


 初めて出会ったのは6歳の頃、名前も覚えてなんていない奴らに虐められていた、そんな時に君がソコに現れた。

アニメや特撮の様なヒーローがこの世に存在すると君を見て確信した、君はそいつらに一言「そんなに弱い者いじめが好きなら虫とでも遊んでれば?」

と言った、そいつらは一瞬何かを言おうとしていたが「チッ」と舌打ちをした後すぐに何処かに言ってしまった。


 「大丈夫だった?」と手を伸ばす君を見た時僕は初めて恋と言うのだろう不思議な感情を知った、「あ、ありがとう......」弱々しくそう言う僕に君は「うん!」と笑顔で手を握ってくれた、

「どうしてあんな奴らにやられてたの?」

見渡す限り田んぼばかりのあぜ道の中彼女は話しかける、

「僕の家にはお父さんがいないから......」

父は僕が産まれてすぐに事故で亡くなったらしい、物心ついた時には母親しかいなかった。

「ふぅん、で?」

彼女はそう質問するそれに驚いた僕は

「えっ.......」

と言葉が漏れた、

「お父さんがいないからどうかしたの?」

と彼女は言う

「お父さんがいないと貴方はどうにかなるの?」「い、いやそういう訳じゃ無いけど....変じゃないの?」

と僕は返した、

「変?何が?別に貴方は貴方でしょ、お父さんがいなくてもそれは変わらない、むしろそれを責め立てるアイツらがどうかしてるんじゃないかと思うわ」

と彼女は少し怒ったように言った。

「貴方は普通の人、そうでしょ?」

彼女は僕にそう言ってくれた、初めて僕の事を『普通』と言ってくれた僕は嬉しくて

「うん!」

と大きな声で返した。

 それからも君は僕を助けてくれた、弱くて何をされても泣いてるしかない僕の事を何度も何度も助けてくれた、僕が謝ると君は嫌がった弱い自分を嘆くと君は怒って「貴方は弱くなんて無い、君はあんな奴らよりずっと強い」そう言ってくれた、僕の事を見てくれて僕の事を認めてくれる君の事が大好きだった。

 5年生になった頃には気付いたら誰もイジメなどしなくなった、君はとても強くて優しかった。それがとても頼もしくて、とても怖かった。

 いつか僕なんかよりも良い人を見つけて、消えてしまうのでは無いかと思ってしまった。君の笑顔が頭の中に浮かぶ、ここにいるみんなも僕も、誰も知らない所へ行ってしまう君を嘆いた中学1年の夏。

 9月が始まり暑さが引き始めた乾いた朝、「行ってきます」そう言って玄関をまたぐ、君の顔を思い浮かべた僕は笑顔で歩き始めた。