令嬢イリナ・アドラーの逃亡劇 ~仕返ししようと浮気した婚約者の元を目指したら、協力者の伯爵令息がやたら親切で戸惑います~

作者宮崎

滞在先から逃げ出したイリナは、列車で出会った不思議な雰囲気を持つ青年に、自分を婚約者の通う学園まで攫ってほしいと頼む。
自分の正体がある国の王女であると明かした彼女を、初対面のはずの青年はやたら優しく甘やかす。
冗談で口にした「人を殺すために逃げている」なんて言葉にも、あっさり手伝おうとしてみせる…

「君はどうして逃げてるんだい」


「人を殺すためよ。……って言ったらどうする?」


「僕に手伝えることはあるかな?」




「君は一体誰を殺したい?」