殿下に浮気されたので、さっさと婚約破棄して、第二王子を懐柔します(笑)

作者ななうみ

「愛してるよ、マリア」

「私もです…ジル」

今、愛をささやいているのは私の婚約者、ジルベルト。

でも隣にいるのは私じゃない。

どうして?政略結婚といえど、私はあなたを愛していたのに...

ズキン

頭が痛む。身に覚えのない記憶が流れ込んでくる。

これは私…?




浮気なんて絶対に許…

セイクレード王国建国以来から続く由緒ある家、ベルトニック公爵家。


その一人娘、それが私。ロベリア・アイア・ベルトニック。


私は高貴な家の者。だから、いかなる人とも、馴れ馴れしくさせてはいけないし、してもいけない。


それが、物心ついた時から教えられてきた教訓だった。


きつい態度も物言いも私にとっては全て、自分を守るための壁だった。