雨の中で倒れたキミを見つけた時
いつも子供達に読み聞かせていた
絵本を思い出した
そして、思ったの。
―――――――私は今死んではいけない
この子を見捨てたら今まで軽蔑してきた
人間と同じになってしまう
でも奏斗、本当はね
キミと出会わなければ良かったのに
出会わなければ今死ねたのに
やっと楽になれたはずなのに
やっと解放されると思ったのに
それが、紛れもない私の本心だった。
あーあ、神様は残酷だ
「沙野離れるなんて、嫌だよ
俺の事………嫌いになっちゃったの?
俺がDOLLだから?」
「ねえ、奏斗私は全然いい人間ではないのよ」
ごめんね
私は所詮、人間だ。
泡沫