大切な人を失った悲しみから立ち直れず、周りの何もかもを憎んでいた高校1年の雨宮花梨。
 彼女が出会ったのは、クラスの人気者・頼宮樹。
 樹は、花梨の心の壁を溶かして……。

 心を失った少女の凍りついた時間が、再び動き出す。




 生きる意味もわからないまま、


 失って、失って、


 残った感情が絶望だったとしても。



 生きているだけで強いんだと、


 意味なんかなくたって生きてていいと、


 言ってくれた人がいた。



 周りの何もかもを嫌って、


 世界を憎んで、神様を恨んで、


 自分を失くした私に、


 前を向いて歩いていく勇気を、


 くれた人がいた。



 その人は今、どこで何をしているのだろう。