死後婚――それは、若くして死を遂げた男女が交わす、黄泉での婚姻の約束。
この世を去った男と女、それぞれの名をひとつの絵馬に刻んで奉納すると、ふたりはこの世ならざる世界で永遠に仲睦まじく過ごせるという。

祖母から聞いたお伽話でその伝承を知った明日名は、ある思いを胸に、すでに廃寺となって久しいとされ…

死後婚――それは、若くして死を遂げた男女が交わす、黄泉での婚姻の約束。

この世を去った男と女、それぞれの名をひとつの絵馬に刻んで奉納すると、ふたりはこの世ならざる世界で永遠に仲睦まじく過ごせるという。


祖母から聞いたお伽話でその伝承を知った明日名は、ある思いを胸に、すでに廃寺となって久しいとされる絵馬伝承の寺院を訪れる。

苔むした石段の先、そこには明日名の予想に反し、寺院の管理者と名乗るひとりの男性と荘厳な寺院の姿があった。

ともに時間を過ごすうち、明日名は彼に惹かれていくが……。