恋に本気になれない元結婚詐欺師と、恋に疎いバリキャリ女子の契約恋愛物語。

▶ストーリー概要および物語の設定


 六本木の外資系コンサルで働く、有能だが地味な浅利アサリ 華子ハナコは、30歳目前に男性経験ゼロだった。処女を捨てたいと密かに思っていたところ、元結婚詐欺師の潮目シオメ 晴人ハルトに出会う。


 華子は金を払って晴人と一夜を過ごし、それっきりになるはずだったが、晴人は華子の住むアパートに押しかけてくる。晴人はお金をもらい過ぎたので、しばらく契約恋愛をしようと言う。


 晴人は意外にも家事をこなし、仕事で疲れた華子を甘やかしてくれる。結婚詐欺師の手練手管だと思いながらも、恋愛経験ゼロの華子は晴人の一挙一動に振り回される。


 職場では後輩の香織カオリの嫌がらせがエスカレートしていた。華子は恋愛面でマウントをとられるどころか、仕事の成果まで香織に横取りされる。晴人はボロボロになった華子を励ますが、華子は晴人につけこまれないよう距離を置くようになる。


 そんなある日、華子は上司の荻原オギワラに告白される。隠してきたが、荻原はずっと華子のことが好きだったという。華子は荻原とお試しデートに出掛ける。デート中、華子は常に晴人と荻原を比較してしまっていた。


 華子が荻原にお断りの返事をしようとしたところ、晴人が現れ華子を連れ去る。デートをしたいならいつでも付き合ってやると晴人に言われ、華子は困惑する。この時、晴人にも仄かな恋愛感情が生まれていたのだ。


 華子は職場で相変わらずマウント攻撃を受けるが、華子を迎えにきた晴人を見て香織は悔しがる。また、仕事の成果の横取りや数々の悪行についても荻原が気付き、居づらくなった香織は退職することになる。


 晴人の溺愛っぷりが増し、華子は次第に晴人を信用するようになる。親が結婚しろとうるさいことを理由に、契約結婚の話を切り出そうとするが、晴人が街で別の女といるところを目撃してしまう。ショックを受けた華子は、晴人を家から追い出す。


 晴人が女と会っていたのは、ケジメをつけようと過去に騙した女性に謝罪して回っていたためだった。互いを忘れられないまま、一年後に仕事で偶然再会した華子と晴人は本当の恋人同士になり、初心に返って同棲生活を始める。